恵比寿駅西口から徒歩約3分、ちょっぴり怪しい路地裏の中に入っていくと絶品のマグロの中落ちが食べられるお店があります。今日は「鮪喜(つなき)」をご紹介させていただきます。
「鮪喜(つなき)」は、築地の仲卸業者の直営店です。このため高い鮮度の魚を、高いコストパフォーマンスでいただくことが可能となります。特にイチオシなのが店名の由来にもなっている「鮪料理」です。ところで、何故、築地の仲卸直営店だと新鮮な鮪を高いコストパフォーマンスで提供することが可能になるのでしょうか。これを知るためには市場におけるマグロの流通を知らなければいけません。まず、各地の港で水揚げされたマグロが築地市場に集まります。築地市場で卸売業者がマグロを受け取り、卸売業者が競りに掛けることになるのですが、この競りに参加できるのが仲卸業者なのです。そして仲卸業者は、競り落としたマグロを自分の店で買付に来た人に対して小分けして販売し、店舗などにマグロを運びます。したがってマグロを扱う仲卸業者は、マグロの見立てのプロフェッショナルなのです。そして直接卸売業者から競り落としたマグロを提供することによって、一般の店舗よりも安く新鮮なマグロを提供することが可能となるのです。
「鮪喜(つなき)」では、マグロ料理の中でも中落ちが有名です。マグロの中落ちとは、マグロをおろしたときの中骨の部分と、この中骨の周辺についている身のことをいいます。「鮪喜(つなき)」では、この中骨周辺の身をハマグリを使って、こそぎ落としていただきます。この作業が意外と楽しいと評判で、身も美味しいとくれば人気となるのも納得です。そもそも中落ちは、市場に出回るものではなく仲卸業者などがマグロの身を切り出した後にその場で食べたり、家に持ち帰ったりしていたそうです。また、中落ちはマグロを捌く技術を表す恥の部分であるという考え方もあって、あまり出回らなかったとも言われています。その希少な中落ちが「鮪喜(つなき)」では、存分に楽しむことができます。
「鮪喜(つなき)」ではマグロ料理だけがお勧めという訳ではありません。マグロ以外にも割烹料理と寿司の修行をしてきた板前さんの腕の光る逸品が豊富にあります。
お店はカウンター席を始めテーブル席に掘りごたつとお好みに合わせて利用できます。また、個室も用意されていますので、仲間内でワイワイと食べたり飲んだりの利用にもお勧めです。是非、お気軽に利用してみてください。