最近の賃貸物件では、デザイン性や空間の有効活用を重視し、洗濯パンを設置しない間取りも増えています。
一見するとスッキリ見えますが、「本当に大丈夫?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、洗濯パンがない賃貸の注意点と対策、そして物件選びで失敗しないためのポイントを詳しく解説します。
洗濯パンとは?その役割とメリットをおさらい
洗濯パンとは、洗濯機の下に設置される防水トレイのことです。
主な役割は、水漏れを防ぐことと、洗濯機の振動を抑えることにあります。
とくにマンションやアパートなどの集合住宅では、階下への漏水事故を防ぐために重要な設備です。
近年はインテリアになじむスリムデザインや、防振性能を高めたタイプも登場しており、暮らしの安心を支える存在となっています。
賃貸物件に洗濯パンがない場合の注意点は?
洗濯パンが設置されていない賃貸物件は、見た目がスッキリする一方、いくつかのトラブルが起こりやすい傾向があるため注意が必要です。
最も気をつけたいのが、排水ホースのズレによる水漏れです。洗濯機の振動などでホースがわずかに外れただけでも床が水浸しになり、階下の住民にまで迷惑をかけてしまう恐れがあります。
また、洗濯機を床に直接置くと、振動や稼働音が床や壁に伝わりやすく、特に夜間の使用は騒音トラブルに発展しかねません。
衛生面では、湿気によるカビや床の変色にも注意が必要です。洗濯機周りは濡れやすく、気づかないうちに床材が傷んでしまうこともあります。特に、木造や築年数の古い建物は床が水に弱いことが多いため、日々のわずかな水気でもダメージが蓄積しやすいです。
さらに、排水口の位置も確認しておきたいポイントです。洗濯機の真下など、スムーズにホースを接続できる位置にないと、取り付けが難しかったり、ホースが引っかかって水漏れの原因になったりします。
こうしたトラブルを防ぐためにも、入居前に「排水口の位置」と「床の状態」をしっかり確認しておくと安心です。
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賃貸物件に洗濯パンがない場合の対処法は?
洗濯パンがない物件でも、必ずしも不便というわけではありません。最近は便利な対策アイテムが充実しており、物件の仕様によっては洗濯パンが不要なケースもあります。
自分でできる手軽な対策
洗濯パンがない場合の「水漏れ」や「騒音」といった問題は、市販のアイテムを組み合わせることで簡単に対策できます。
・防水トレイ(防水パン)を置く
最も手軽で効果的なのが、市販の防水トレイを設置する方法です。置くだけで水漏れから床を守ることができ、排水口用の穴が開いているタイプなら排水もスムーズです。
・防振マット・ゴムで振動や音を軽減する
防水トレイと併用して防振マットを敷いたり、洗濯機の脚に防振ゴムを取り付けたりすれば、振動や作動音を大幅に抑えられ、騒音トラブルの防止に繋がります。
なお、業者に依頼して洗濯パンを設置する工事も可能ですが、賃貸物件では退去時に元に戻す「原状回復義務」が生じるため、手軽なアイテムの活用をおすすめします。
入居前に確認しておきたいこと
次に、内見の際に不動産会社に確認しておくべき点を紹介します。安心して暮らすために、以下の点を必ず確認しましょう。
・洗濯パンがない理由
最近の新築やリノベーション物件では、洗濯パンがなくても問題ないように設計されていることがあります。
例えば、水に強い床材を使ったり、掃除しやすい壁際に排水口を設けたりしているため、あえて洗濯パンを設置していないのです。こうした物件の仕様を事前に確認しておくと、より安心して選ぶことができます。
・万が一の際の責任の所在
「洗濯パンは必要ない」と説明された場合でも、「万が一水漏れが起きて下の階に被害が出た場合、責任は誰が負うのか」を念のため確認しておきましょう。一般的には設備を設置していない大家さんや管理会社の責任となることが多いですが、事前に明確にしておくことで入居後のトラブルを防げます。
このように、便利なアイテムを活用したり、入居前に物件の仕様やルールを確認したりすることで、洗濯パンがない物件でも快適に暮らすことが可能です。
洗濯パンなし物件を選ぶときのチェックポイント

リスクや対策法がわかったところで、改めて、内見時に後悔しないためのチェックポイントを具体的に見ていきましょう。
洗濯パンのない物件は見た目がすっきりしていますが、一度設置するとなかなか動かせない洗濯機だからこそ、契約前に以下のポイントをしっかりチェックすることが非常に重要です。
まず、最も重要と言えるのが「排水口の位置」です。洗濯機を置くスペースから排水口が離れすぎていると、排水ホースが無理に折れ曲がったり、長すぎてたるんだりしてしまいます。これは水の流れを妨げ、ゴミ詰まりや水漏れを引き起こす直接的な原因になるため、洗濯機スペースの真下や真横など、無理なくホースを接続できる位置にあるかを確認することが大切です。
次に、「床材の種類」も大切な確認項目です。万が一の水漏れや日々の湿気から床を守れるか、という視点で見てみましょう。ビニール系のクッションフロアであれば耐水性が高く安心ですが、注意したいのはフローリングの床です。一般的なフローリングは水分に弱く、濡れを放置するとシミや変色、床材の反りやカビの発生に繋がる恐れがあります。不動産会社に耐水仕様のフローリングかを確認し、そうでなければ防水トレイの設置は必須と考えたほうが安全です。
さらに、意外な落とし穴となりがちなのが「水栓(蛇口)の高さ」と「設置スペースの広さ」です。特にドラム式など背の高い洗濯機を置きたい場合、水栓が低すぎると物理的に設置できないことがあります。また、洗濯機本体の寸法だけでなく、防水トレイを置いたり、ホースを接続したりするための作業スペースも含めた十分な広さが確保されているかも見落とせません。
このように、いくつかのポイントを事前に確認するだけで、入居後の「こんなはずじゃなかった」というトラブルは確実に防げます。内見の際にはメジャーとメモを持参し、安心して新生活をスタートできるか、ご自身の目でしっかり確かめてみるのが大切です。
まとめ
洗濯パンが設置されていない賃貸物件を選ぶ場合は、洗濯パンがないことのデメリットをきちんと確認しておくことが大切です。
水漏れが発生した場合の責任が管理会社や大家さんにあるにしても、トラブルはなるべく事前に防いだほうがよいでしょう。
対処法として市販の洗濯機用トレイを活用することも検討してみてください。
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